
こんにちは三日月です。
今日はDiさんより、2006年に通っていたセーリング・スクール時代に学んだことについて、当時を思い出しながら伝えていただきます。
以下、Diさんからの手紙です。
2年前の7月、セーリング・スクールのトレーニングでビクトリアン&ガルフ諸島に出かけた時の話です。その日は初めてバンクーバー島の南側に出るので、今までと大きく違う事が一つありました。それはナビゲーションに関係することなのですが、具体的な話をする前に、この土地を理解しなければなりません。
バンクーバー近辺には大小の島々があり、北海道より北側に位置する北緯50度近辺に位置します。地球上には重力が働いていますが、この力によって地球は真円ではなく横方向へ少し広がった形に歪んでいます。同じように地球上に覆いかぶさる水、つまり海水も同じようにこの力の影響を受けます。ここで何がクルーズに関係するのか察しがついたと思います。そう、潮の満ち引きとそのスピードです。
島の間にある狭いパスを通過するには、スラックタイムという潮止まりを事前に資料で調べて通過しなければならないのですが、その日は5度目のクルーズ研修でしたので、それは何度も体験していました。その日は自分達で停泊場所のタイド(※1)がどの程度変化するか、停泊地に付いた段階でその程度の深さに停泊すれば、翌朝になって潮が引いた後でも、座礁しなくても済むのか計算出来る様にきちんと教えてもらいました。加えて、潮の流速と方向をどうやって具体的に調べるかも学びました。簡単に例を掲げると、舟が進みたい方向に4kt(※2)のスピードで帆走出来てたとしても、海流が全く逆方向に7ktで流れていたとすると、自分では進んでいるように感じている舟が3ktで真後ろに下がっていることになります。つまり対水速度と対地速度の差の話になります。つまり、これらも資料から抜き出し、クルーズ中に通過する時間を割り出すわけです。自然に抗っていても勝てるはずがありません。それはセーラーなら皆知っているでしょう。塩っけの強い老練な船乗りは、自然の力を味方にする術を知っています。
この計算は慣れないと面倒で退屈極まりないものなのですが、自分の舟が朝起きたら座礁してたり、気持ちよくセーリングしてるつもりが、海流に流されて岸に打ち上げられたりしたら、大切な舟を傷めてしまいます。そんなことにならないよう、スクールの同期生と共に緊張しながら計算方法を学んでいますた。
※1 タイド:潮の満ち引きの差。 (tide)
※2 kt (ノット):1ktは1時間に1海里進む速度。1kt=時速1.852km。
等間隔に結んだひもを水中に投下し、砂時計が落ちきるまでに流したロープの結び目を数えて速さを測ったことが、
"結び目"を意味する"knot"が速度の単位となった由来。
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